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Mel Torme「Swingin’ On The Moon」Verve


月にちなんだ歌は星の数ほどあるけれど、月にちなんだ曲でアルバムをまとめたものは意外と少ないのでは。そのなかでもSinatraの「Moonlight Sinatra」とTormeのこの盤は秀作。
「No Moon At All」は軽快なリズムの上をソフトにスイングするが、2コーラス目からリズムの波を切り裂いて飛ばすクルーザーのようなのりを聞かせてくれる。「Moonlight Cocktail」は他ではあまり聴かないけれど隠れた佳曲。
「How High The Moon」はヴェルヴェットヴォイスで甘くくるんだバラードで唄っている。
「Moonlight In Vermont」の美しさに言葉を失う。

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Marge Dodson「New Voice In Town」Columbia CL1458


あくの強くない黒人歌手に小粋な男性コーラスを絡ませたColumbiaらしい企画。
Margeの声はしっとりした美しい高音が魅力。
モダンなアレンジとコーラスにのせて伸びやかに通る声は暗さを感じさせない。
「Round Midnight」のような曲でも重くならず後味が良い。
ちょっとぶっきら棒な「By Myself」、失ったときめきを取り戻すかのように切ない「The Thrill Is Gone」、いろいろな表情で魅せる「No Moon At All」がとてもおしゃれ

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Connie Russell 「Alone With You」United Artists 3063


ジャケットとの雰囲気から、キュートでおきゃんな感じかなと思ったらさにあらず。
なかなか本格的にジャァジィな唄を聞かせてくれる。
歌はかなりうまい人、「Close Your Eyes」は酔わせるかのような語り口で、つい言うことを聞かせてしまうような説得力がある。
「You Be So Nice To Come Home」「You And Night And The Music」のような曲は絡みつくようなスイング感にのせられてしまう。
Whoo~n I Saw You Last Nightと粘りつくような「That Old Feeling」は危険。
大人の女が味わえる一枚。

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Ella Fitzgerald「Like Someone In Love」Verve MGV4004


Jazzヴォーカルの紹介本で彼女の代表作を紹介する場合「Ella In Berlin」を最初に取り上げているものが多いが、あのアルバムから聴き始めると先へ進まない。
「Mack The Knife」をスキャットバリバリで唄う大柄なおばさんと言うイメージになってしまうのではないだろうか。
彼女の良さはまず声の美しさとそれを自在に操る技術にあると思う。
このアルバムはFrank Devolの弦を多用したオケをバックにその美声を余すとこなく聴かせてくれるバラードアルバム。
「Hurry Home」はひたすら美しい、しっとりした情感を込めた唄がこの小品を名曲にしている。Stan Getzのオブリガートが心地よい「There’s A Lull In My Life」、技術に裏打ちされたヴォイスコントロールに安心して浸れる「More Than You Know」。
「Close Your Eyes」は芳醇なブランディの香りのように酔わせてくれる。
全15曲、至福の時間を与えてくれるアルバム。

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Mavis Rivers「Mavis」Reprise R9-2002


彼女のアルバムには駄盤がない、1枚聴くたびに他のアルバムも聴きたくなる。
ストレートなアルトヴォイスが高い旋律を駆けるときが何ともいえない。
Marty Paichの編曲指揮で錚々たるソリストたちのオブリガートを散りばめながら歌うこのアルバムは最良のJazzヴォーカルを聞かせてくれる。
「Candy」は程よい甘さ、「There’s No You」は魅惑的、「Hurry Home」はキュート。

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The Pied Pipers「The Pied Pipers」Diskport FPC88X0~2(Victor、Capitol原盤)


Juneの在籍期間が長かったPied Pipers。
このCDが出るまで、日本ではまとまった形でアルバムが出ていなかった。
Jo StaffordのいたTommy Dorsey時代も良いが、やはりJuneが入ってからヒットを出していた時代が華やか。
「Dream」は大ヒット曲、まさに夢のようなコーラスが聴ける、シナトラバージョンを抜いてトップを走り続けたのもうなずける。
このアルバムでの白眉はJohnny Mercer、Jo Staffordを迎えて唄った「Candy」
Mercerの声にJoとJuneのコーラースが絡むというのは豪華と言うほかない。

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June Hutton 「Afterglow」Capitol W-643


ちょっと古風な唄い口、耳あたりの良い声、良い時代にカットされたの宝石のようなアルバムだと思う。
夫のAxel StordahlのアレンジはPide Pipers時代を思わせるコーラスをちりばめてゴージャス感を出している。
「Until The Real Thing Comes Along」はそのバックコーラスにあわせて唄うJuneの声がとても華やか。
「I Should Care」「I Hadn't Anyone Till You」[Dream A Little Dream Of Me]、よき時代のよき歌で満ち溢れたアルバム。

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Nat King Cole「Tell Me All About Yourself」Capitol SW-1331


「Dedicated You」の名唱と言えばJohnny HartmanのColtraneとの競演盤と言うのは誰も異存はないところであるけれど、このNatのバージョンの粋さも捨てがたい。
全編ソフトスイングにアレンジされた佳曲をNatの暖かい声ですべるように流して行く。
有名ではないが、柔らかなビロードのようなアルバム。
「This Is Always」「Until The Real Thing Comes Along」が甘くて美味。

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Ella Fitzgerald 「Ella And Nice Guys」日本Victor VIM 5586(Decca原盤)


まだ若いEllaが男性コーラスグループをバックに唄った録音を集めた好コンピュレーション。
For Sentimental ReasonsはNat King Coleのヒット盤から最近はBB・Kingまで多くの録音があるけれど、Delta Rhythm Boysを従えて唄うこのEllaの可憐さにはかなわない。
Mills Brothersをバックに従えた「Dedicated You」のいじらしさはこの時期ならでは。

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Linda Ronstadt 「For Sentimental Reasons」Asylum960474-1-E


Billie Holiday, Patti Page, Dinah Washington, Vivienne Della Chiesa, Yvonne De Carlo, Ruth Brown, Brenda Lee, Ray Charles, Jeri Southern ,Vic Domenその他この一週間,Judy Holidayに始まっていやと言うほどの「Am I Blue」を聞いて、結局Lindaに落ち着いた。
上記のほとんどの歌手がスローなブルー・バラードとして唄っているの対し甘くスイングさせた彼女の声が気持ち良くすんなり入ってきた。
このレコードが出たころは素直に聞く気にはなれなかったが、今聞いてみると奇をてらわず好感がもてる。
やはりタイトル曲の「For Sentimental Reasons」はいつまでも色あせない名曲。

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Judy Holliday 「Trouble Is A Man」 Columbia CS8041


ミュージカル大女優の彼女がここで歌う「How About Me」は優しいビブラートに包まれている。
舞台の人が歌うと、声を張り上げてドラマティックに唄いあげる場合がほとんどであるが、彼女は決して力むことなく静かに思いを語りつないで行く。
一枚聴きとおすと単調に聞こえてしまう恐れがあるが、B面1曲目の地声でスゥィンギーに唄う「Am I Blue」がアクセントに。
他に、恋人だったGerry Mulliganと吹き込んだアルバム「Holliday With Mulligan」はジャージィな佳作。

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Kitty Kallen 「It’s A Lonesome Old Town」Decca DL 8397


“プリティ“キティが渋さを加齢させたDeccaでの好盤。
情緒纏綿と歌い上げる「It Could Happen To You」、情景が目に浮かぶ「It’s A Lonesome Old Town」などほろ苦い甘さがそっととろけるKittyがいる。
囁きが耳に残る「The Lonely One」、「How About Me」で聴ける率直な心情が心をうつ。

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Anne Phillips 「Bone To Be Blue」Roulette R 25090


「Bone To Be Blue」はBev Kenneyの超名必聴盤があるけれど、こちらもお薦め盤。
声自体に哀愁感ある。その声が饒舌ではないが清楚な歌い口と相まって、えもいわれぬ情感を醸し出している。
3歩下がってついてくるような「I Don’t Want To Walk Without You」あなたでなければ死んでしまうとでも言いたげな「There Will Never Be Another You」も良いが、切ない思いを隠した「It Could Happen To You」がいじらしい。

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Donna Hightower 「Gee, Baby Ain’t I Good To You」Capitol ST1273


黒人特有のあくの強さをおしゃれに変えて、軽く決めたこぶしさえ洗練されて聞こえる。
Capitolのこういうアルバムのアプローチはゴージャスなパーティの合間にうってつけかも。
Sid Fellerのアレンジにのせて聞こえる彼女の声は都会の夜の匂いがする。
「A Cottage For Sale」に哀愁が、「Bone To Be Blue」は決して泥臭くならない。

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Frankie Laine 「Torchin’」Columbia CL 1176


われわれの年代でFrankie Laineと言うとローハイドを朗々と歌うというイメージがあるけれど、実はその声量をぐっと抑えて語るバラードにもたまらないうまさがある人。
Mercury時代の名唱も良いが、コロンビアで更に達観した歌を聞かせる。
「I Cover The Waterfront」はBillie HolidayやSinatraの秀作もあるがここでのLaineも味わい深い。「You’ve Changed」「It’s The Talk Of Town」「Cottage For Sale」などトーチ・アルバムに欠かせない曲をずらり並べて聴かせてくれる。

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Arthur Prysock 「Strictly Sentimental」Decca DL 74581


Blue VelvetというとBobby Vintonとくるところだけれども、今回はこの人。
やはりEckstineの流れを汲むバリトン・ヴォイスが魅力。
日本ではCount Basieと競演したVerve盤ぐらいしかリリースされていないような気がする。
こんな人の唄をうまい飯を食べ終わったあとのラウンジで聞けたら最高なんだけれど。
ソウルフルなエレガントさが身上。
Joe Williamsで取り上げた「A Man Ain’t Supposed Cry」もまた趣が違う。
「I Cover The Waterfront」に暫し佇む。

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Tony Bennett [Blue Velvet] Columbia CL 1292


この哀切感、私的Tonyのbestを「Cloud 7」と分けるほどの佳作だと思う。
何も飾らず失った恋への思いを切々と綴る。
この時代の彼は技巧に走ることなく、その声の憂いをストレートに聞き手の心に届けてくれる。
「Congratulations To Someone」は嫉妬と自嘲と失意を絶妙に歌い上げた名曲、名唱。
表題曲の「Blue Velvet」、「I Won’t Cry Anymore」を始め選曲も優れている。

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Tony Bennett 「Alone Together」Columbia P-11489(Reissue)


ここでの「Gone With The Wind」は重すぎる。
彼の場合時々このような聴く者を疲れさせる表現をするときがあり、このアルバムでは他にも何曲かそういう表現が見受けられる。シナトラの深さ重さとは違うもので、1枚を聴きとおすと疲労感が残る
しかし「After You’ve Gone」「It’s Magic」「For Heaven’s Sake」「This Is AllI Ask」などまた針を下ろしたくなる快唱があり救われている。

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Andy Williams 「Lonely Street」 Cadence CLP-3030


ここで聴かれる「Autumn Leaves」が良いというより、このアルバムに入っているから良いのだと思う。
私的Andy Best One 「Warm And Willing」を引きずり降ろすほどの好盤。
Cadenceに有った彼のコンセプトアルバムはColumbiaではあまり見られなくなった。
しかしこの時代に彼にこの表現力があったからこそその後の大成功があったのだと思う。
普通このような企画でアルバムをまとめると暗くなりすぎてしまうのだけれど、暖かさで希望を持たせてくれる。
1曲目の「You Don’t Know What Love Is」から引き込まれる。
「Gone With The Wind」におけるYesterdays KissのフェイクとJust Like A Flameから入るピアノの3連のバッキングには正直はまってしまった。

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Polly Bergen 「Four Seasons Of Love」 Columbia CL-1451


当時アルバム企画でよくあったのが「季節めぐり」。一枚のアルバムで春夏秋冬を楽しんでもらうという企画。
そいうアルバムでよく取り上げられたのが「June In January」。
Julie Londonが「Calendar Girl」の1曲めで絡みつくような歌を聴かせ、これからの一年に期待を持たせてくれた(?)のに対して、このアルバムでPollyは暖かく歌っている。
本来の彼女の歌は少し力みが入る場合が多いがこのアルバムはしっとりとした情感が全篇を覆っている。
「The Things We Did Last Summer」が素敵だが、静かに歌う「Autumn Leaves」に構えを捨てた彼女のうまさが出ていると思う。

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The Hi‐Lo’s 「Listen!」Starlite‐ST7006


ここでの「Fools Rush In」はこのアルバム中の他の曲同様彼らの個性が全開している。
彼らとしては常にFour Freshmenとの個性の違いを出すことで、彼ら独自のテクニックと一曲一曲凝ったアプローチで聞かせることを築き上げていったのだと思う。
「Little White Lies」の導入部はBeach Boysが60年代に聴かせた新鮮な技術をすでに具現している。
今までBeach Boysへの影響はFour Freshmenのみで語られていたように思うが、当然Hi-Lo’sも聞き込んでいたのだろう。

1曲目の「June In January」から聴かせてくれるが、気持ちよく浸れる「She’s Funny That Way」、彼らならではの「Whatever Lola Wants」が楽しい。

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Dean Martin 「Dream With Dean」Reprise RS-6123


[I Don’t Know Why]の名唱というとSinatraのColumbia盤「The Voice」とくるのだけれど、このDinoのバージョンも必聴盤。
Dino好きなら必ずFavoriteにあげられるアルバム。
これと「The Dean Martin TV Show」「Sleep Warm」があればバラードものは当分困らない。
「Everybody Loves Somebody」はヒットしたロッカバラードバージョンではないけれど、この録音が布石。
名盤だけに全曲名唱、「Fools Rush In」は彼のようなタイプにはぴったりかもしれない。

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Linda Scott「Her Greatest Hits」Canadian American CALP-1007


「Count Every Star」と言えば彼女しかない。
Popsだろうがなんだろうがこの曲はもう黙って聴くだけ。
この曲が入っているオリジナル・アルバム「Straight Starbright」はいくら高くても良いから買っておくべきだった。このBest盤にはそのアルバムからの曲が多く入っている。「Blue Star」はわれわれの世代ではエレキ・インストで有名であるが、彼女の歌以外でVocalバージョンをあまり知らない。
「I Don’’t Know Why」は2ndコーラスのAメロをラララ~で通してしまうけれど許す。

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Al Hibbler 「Starring」Decca DL-8328


前出のJoe Williamsもそうだけれど日本ではこの辺の男性黒人歌手は女性歌手以上に聴かれないのでは。
声の厚みに安心して身を漂わせて聴くことが出来る。
現代では絶対聴くことの出来ない歌だと思う。
「Where Are You」はJoeよりも更に深刻さが薄れるが、昔失った恋を懐かしむかのよう。
「Count Every Star」はひたすらロマンティック。

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Joe Williams 「A Man Ain’t Supposed To Cry」Roulette R-52005


「男は泣くもんじゃない」というタイトルが泣かせる。
「It’s The Talk Of Town」も悪いのはすべて自分、つらい噂も泣かずに耐える、男はこうありたいもの。
1曲目の「What’s New」からラストのタイトル曲まで、全曲めそめそした曲を泣かず唄える懐の深さが名盤。
シナトラも歌わなかったヴァースから入る「Where Are You」は自分の辛さより去って行った女の心情を思いやる余裕が感じられる。

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