« 2004年2月 | トップページ | 2004年4月 »

Ketty Lester「Where Is Love」Victor LSP-3326


Victorに何枚かアルバムを残しているが日本には全く紹介されていないのではないかと思う。
霞のかかったフォギー・ボイスが伸びやかな高音に変わるときがなんともいえない。
「Deep Purple」はまさに紫たなびく霞の中から浮かび上がるかのような魅惑のヴェルヴェット・フォグである。
黒人ならではのソウルフルな唄いまわしだが野卑にならず、うねるような情感をひたすら語りかけてくる人。
首筋から背中を通って行くセクシャルな声とフレージング、出会えてよかったアルバム。
「Where Is Love」「My Romance」「That’s All」「Love Locked Out」「Lover Man」「Skylark」皆彼女の色に染め上げられているが「My Foolish Heart」にひたすら酔わされる。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

The King Sisters「Imagination」Capitol T919


数あるSistersの中でもモダンさといったらKing Sistersだと思う。
オープン・ハーモニーのなかから2声やソロを柔らく浮かび上がらせた後、一気に4声を滝のようにかぶせていく手法は、洒落ていてかつ非常にゴージャス。
「Imagination」は重ねられた4声の中からフレーズごとに微妙に強弱をつけて聞こえてくるそれぞれの個性的な声が魅力、後半はダイナミックにしかしひたすら甘美に攻めてくる。「Deep Purple」はこの曲のもつ幻想的な部分を技巧に走らず4声のバランスのよさで魅惑的にまとめている。
「What’s New」「That Old Feeling」「Early Autumn」「Don’t Take Your Love From Me」と魅力的な曲が続く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Helen Humes「Songs I Like To Sing!」Contemporary S7582


「If I Could Be With You」は何度も録音している彼女の当たり曲。
ここでの録音は年齢を感じさせない声の瑞々しさに驚かさせられる。
もう一時間だけでも傍にいられたらという「一時間」の長さがとても切ない。
Marty Paichのアレンジは2コーラス目からスイングするが、それが一時間後の別れの辛さを振り切るようで彼女の声を更にいじらしく引き立たせる。
曲によっては錚々たるメンバーのソロも楽しめる好盤。
「Every Now And Then」「My Old Flame」「Imagination」などのバラードに独特の哀愁を感じさせる。
しかしこのジャケットではどこの国だって売れない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Bing Crosby「New Tricks」Decca DL8575


耳に優しく響く郷愁の歌、「Georgia On My Mind」は本来こういう歌だったのだと思う。
日本の歌手の中ではこの歌を歌うとき「Ray Charlesの歌」と紹介するふとどき者がいるが困ったことである。
「I’m Confessin’」のスムーズな唄い口が彼の真骨頂、「If I Could Be With You」はもう一時間だけ居られれば十分という大人の余裕を、「Softly As In A Morning Sunrise」は古風な唄いかたで、この歌が本来持っている格調高さを際立たせている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Kay Starr 「The One The Only」Victor LPM 1149


彼女のフレーズを引っ張る歌い方は、ダイナ・ワシントン等の黒人の唱法に似ているが、微妙にニュアンスが違う。
しかしながらソウルフルに聞こえることは間違いない。
デビュー当時からこのインパクトのある唱法でヒットを飛ばしていたが、このRCA時代は溌剌さがうり。Capitolに移ってからは更にジャージィに。
「My Biddy」のようなバラードでもかっちりしたグルーブが感じられる。
「I Want A Little Boy」や「Georgia On My Mind」のようなブルージーな曲がしっくりくる。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Bobby Darin「Oh! Look At Me Now」Capitol W1791


Billy Mayの颯爽としたアレンジにのせてBobbyが軽快に唄うCapitolでの1stにして名盤。
フィンガー・スナッパーとしてはシナトラを超えるものを持っていると評価されていた彼であるけれど「You Made Me Love You」や「The Party’s Over」「My Buddy」で聴かせる切ないバラードシンキングは絶妙。
このアルバムを皮切りに彼のスタンダードアルバムを漁り出したのはこのバラード唄いが聴きたいため。
しかしスイングする曲はBillyのアレンジと相まって最高ののりを聴かせる。
哀愁の有る導入部から悠々とリズムにのる「All By Myself」、思わず体が動くほど気持ちよいリズムの“のり”の「A Nightingale Sang In Berkeley Square」等ATCO時代から更に一皮剥けたスイング感に脱帽。
本当に早すぎる死が惜しまれる人。
切ない思いを綴った「My Buddy」に涙ぐむ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Jimmy Witherspoon 「A Blue Point Of View」Verve V5007


Jazzbluesの大御所Witherspoonが60年代中期にVerveに残したポピュラー・アルバム。
JazzセットにせよBluesセットにしろ濃紺なブルースフィーリングで聞き手をその気にさせるSpoonがジャジーなーポピュラーヴォーカルを聴かせる。
アレンジがもろこの時代のポピュラーサウンドなのはVerveの親会社のMGMの要求なのかも。
ここでの「I Wonder」はEstherのそれよりはぐっとマイルドな語り口。
甘いアレンジの中に彼本来のブルースフィーリングが絶妙に溶け込んだ大人の歌を聞かせてくれる。
曲によってはカントリーっぽいアレンジもあるが、彼の持ち味との微妙なずれが良い感じのヴォーカルアルバムを作り上げた要素にもなっている。
「There Is No Greater Love」や「What Kind Of Fool Am I」のような重い曲もソフトにまとめているが、「You Made Me Love You」で聴かれる大人の哀切がこのアルバムのカラーなのだと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Esther Phillips「Confessin’ Blues」 Atlantic SD1680


アトランティックに入っても昔とった杵柄とでも言うように、Bluesを唄うエスターではあるけれど、そこはリトル・エスター時代とは一味違う彼女独特の臭みを増したものに。
まさにエスター節爆発。
70年代にはKUDUで大ヒットを放つ彼女だが(来日ステージを見に行って少しがっかり)、この時代はまだそこまで洗練されてはいない。
しかしBluesとJazzの狭間で生きてきた彼女がこのアトランティックで可能性を広げたのは事実、BluesからJazzへそしてSoulからPopsへクロスオーバーしていく魁となった重要な時期であった。「Confession Blues」ははまりすぎでもあるが、なんと言っても「Cherry Red」にとどめをさされる。
Herb EllisがJazz Guitaristらしからぬエグいギターを聴かせる「I Wonder」も心に深く突き刺さるBlues Ballad。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

The George Shearing Quintet With Dakota Staton「In The Night」Capitol T1003


George Shearing はMel Torm、Nat King Coal、Nancy Willson等と競演盤を残しているがいずれも佳作である。
この盤はDakotaのアクとQuintetの粋さが絶妙に溶け合って気持ちの良い部分と、一曲ごとに聞かれるQuintetによるインストがDakotaの曲とかい離しているという部分を持つユニークな結果を生み出している。
「In The Night」や「The Thrill Is Gone」が渋いがやはり彼女には「Confessin’ Blues」のような曲がどんぴしゃ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Peggy Lee And George Shearing「Beauty And The Beat」Capitol ST1219


有名盤が続いてしまう。
Shearingは多くの歌手と競演盤を残しているが、皆軽くソフトにまとめたアルバムたちにしている印象があった。
しかし今回オリジナル盤をボリュームを上げて聴いてみて驚く。
「Blue Prelude」はとてもグルービィで迫力があることに気がついた。
こんな洒落たライヴを楽しめた時代が羨ましい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Mildred Bailey「The Rockin’ Chair Lady」Decca


Ethelの「Blue Prelude」のあとで彼女の同曲を聞くというのは悲しすぎるかもしれない。
このCD収められている「Blue Prelude」はMildredのラスト・レコーディングといわれているもの。43才時の録音であるが既に全盛期を過ぎ、あの透き通るような声はここではもう無い。地声でのたうつように唄った歌が前奏曲というのが更に悲しい。
しかしこのアルバムには同時に彼女の絶頂期が納められている。ロマンティックなバースから始まる「Georgia On My Mind」。「Lover Come Back Me」でのカウンターメロディーの節回しはさすが白人女性Jazzヴォーカリストの草分けであることを感じさせる。「It’s So Peaceful In The Country」が好みだが、なんといっても「Everything Depends On You」でのすべてを捧げた女のいじらしさが逆に悲しく、涙腺を緩ませる

| | コメント (1) | トラックバック (1)

Ethel Ennis 「Lullabys For Losers」Jubilee LP1021


EthelはVictorの「Eyes For You」も良いが、やはりなんといってもこの盤。
全編を漂う哀愁感、なぜ一声一声にこんなに切なさがあるのだろう。
この後の録音でもバラードにおける哀切感は独特のものがあるが、このアルバムでのそれは尋常なものではない。まさに一世一代の名盤だと思う。
[Dreamer-Dreamer]「Off Shore」などJazzだPopsだというよりもこの人のための歌という感じ。表題曲の「Lullaby For Losers」が良いが、身もだえするような「Blue Prelude」は一生もの。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

Ethel Ennis「My Kind Of Waltztime」Victor LPM2986


フレーズの端々から哀愁がこぼれる人、そういう意味でもバラードでの表現は絶妙。
「Paradise」はそんな彼女にしてはぐっと抑えた唄い口、あっさりしているようでいつまでも残る情感がさすがと思わせる。
アルバム自体はキャッチーなポップ曲にしっとりしたバラードからませるというちょっと落ち着きの無い作品ではあるが、垣間見せる哀切感が聴きたくてつい棚から取り出してしまう盤。
ハーモニカの絡むアレンジが憎い「My Coloring Book」、洒落たセンスの「Fall In Love With Love」が心地よい。

Victorの他の3枚はすべて良いと思うが、バラードで押し通すJubileeのデヴュー盤が最高。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Toni Harper 「Night Mood」Victor


年齢を感じさせない、落ち着いた深みの有る声。
洗練されていながらソウルフルである。
Marty Paichのバッキングに悠々とのってうたう「Saturday Night」やはり黒い。
「Round Midnight」の情感の深さ、遠くを思う「Where Flamingos Fly」が出色。
「Paradise」はマイルド、「My Ship」のモダンさはこの時代ならではの新しい世代のヴォーカルを感じさせる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2004年2月 | トップページ | 2004年4月 »