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Sammy Davis Jr.「California Suite」Reprise R6126


A面にMelのカルフォニア組曲を、B面に彼の作曲した名曲たちを唄った秀作。
以前Melの同名アルバムを聞き通したとき覚えた疲労感はここでは全く感じられなれなかった。組曲の中の1曲1曲をSammyの大きく包み込むような唄で聴かされるとあらためてMelの作曲家としての才能に驚かされてしまう。
Melの唄では凡庸に感じられた曲を蘇らせるSammyの才能も素晴らしいと思う。
B面はおなじみの名曲たちのオンパレードだが、珍しくヴァースからはいる「A Stranger In Town」での絡みつくような唄がやはりこの曲のムードによく合っている。
「A Stranger Called Blues」「Welcome To The Club」「Willow Road」「Born To Be Blue」、そして「「The Christmas Song」までがすべてSammy独特の大人の男の哀切で唄いきられている。

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Mel Torme「Right Now」Columbia CS9335


Columbiaというレーベルは本当に恐ろしい会社だと思う。
「That’s All」という素晴らしいバラード・アルバムを作ったあと、当時の若者向けのポピュラーヒットをごった煮にして大Jazz歌手のMelに録音させるのだから。
その中でも「Comin’ Home Baby」と「Strangers In The Night」は好感の持てる出来になっている。拾いものは「Secret Agent Man」、秘密諜報員を気持ち良さそうにのって歌っている彼の才能には驚かされる。しかしその他の曲はその才能を持ってしても凡庸にまとめることしか出来なかった。
昔Elvisの伝記のなかに、TV番組でMelが唄っているシーンでTVに椅子を投げつけて壊してしまうという件があったがこんな時期のことだったのでは。

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Jack Jones「The Impossible Dream」Kapp KS3486


楽器演奏では多くのプレィヤーに取り上げられている「I Will Wait For You」だがジャーズィに唄ったヴォーカル・ヴァージョンというのはあまり無い。
シナトラがスゥインギーに唄っているけどこの曲の雰囲気に合っているかと言うと疑問である。
ここでのJackの唄は軽くスイングさせたアレンジに線の細い彼の声がこの曲の繊細なところとモダンな雰囲気を上手く歌い上げていると思う。
その繊細さが「The Shadow Of Your Smile」「The Impossible Dream」などの曲になると弱さに感じられ日本ではAndy Williamsの影に隠れてしまった。
このアルバムでもっとも重要なのは「Strangers In The Night」。
SinatraのプロデューサーがJackがこの曲をシングルで出すという情報に、Sinatraに急遽録音させ大ヒットを飛ばしたという曰く付のヴァージョンである。
もしJackのヴァージョンが先にプロモーションされていたならこの曲はあんなにヒットはしなかったという唄、やはり彼ではこの曲の大きさを出すのは無理であった。

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Sylvia Syms「For Oncs In My Life」Prestige 7489


日本で「Vaya Con Dios」という曲の印象を尋ねるとほとんどの人が、前出のFontaine Sistersのように明瞭に澄み切って歌うというイメージの曲と答えるかもしれない。
しかし彼女のこの曲は淡くついた茶渋のような奥ゆかしさとうっすらとした苦味に包まれている。
ブルージィとは少し違うがバックのメンバーがーJohnny Hammond SmithとThornel Schwartzというコテコテ派がぐっと押さえた音でバックアップしているので黒っぽくならざるえない。「You Don’t Know What Love Is」や「Don’t Take Your Love From Me」のような少し重めの曲を逆に無理なく自然に聞かせてくれる。
「I Will Wait For You」のような当時新らしめの曲を彼女の少し荒れた声で聴くと切なさが柔らかく浮き上り、それが絶妙な趣を醸し出している。

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The Fontane Sisters 「A Visit With Fontane Sisters」Dot DLP30


彼女たちは「Most Of All」のみならず多くの黒人グループのカヴァーをヒットさせたことで有名らしいが、ここでは懐かしいポピュラーソングを奇をてらうことなくストレートに唄い良き時代のアメリカを蘇らせてくれる。
20年代の曲を含む選曲は日本にはなじみの無いものもあるが、やはり「Vaya Con Dios」「I Understand」「I Don’t Know Why」等後世に残る曲が良い。
ジャーズィさは望めないが当時のラジオから流れていたアメリカンスタイルのひとつの形であると思う。

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The Moonglows「Look, It’s The Moonglows」Chees


その「Sincerely」のオリジナルでビルボードのR&B部門で2位までヒットさせたのがMoonglows。

McGuire Sistersのヴァージョンよりも重くて深い「Sincerely」はその後訪れるR&B時代の芽ぶきを感じさせる。このアルバムでは他にもFontane Sistersでヒットした「Most Of All」やBobby Vintonで大ヒットした「Blue Velvet」が聴ける。
ムーディで甘いバラードを歌う彼らも、やがて来る強いビートと更に進化する黒人音楽の時代にのなかに昇華され消えていくことになる。

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The McGuire Sisters「Chris,Phyllis,Dottie」Coral CRL57052



McGuire Sistersと言えば55年2月から6週間ビルボードのナンバー・ワン・ヒットとなった「Sincerely」の大ヒットを抜きには語れない。
黒人のドゥーワップ・グループのヒット曲を白人のグループが甘く包装しなおしてヒットさせるというパターンの典型であった。
そんな当時のポピュラーヒットが聴けるこのアルバムでは映画主題歌も何曲か含まれているが、シナトラ主演の「黄金の腕を持つ男」のヴォーカル・ヴァージョンが聞けるのが嬉しい。

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The McGuire Sisters「While The Lights Are Low」Coral CRL57145


数あるシスターズの中で一番美人と言われていたのが彼女たち。
いつの間にか多くのアルバムが集まってしまった。
「I Hadn’t Anyone Till You」は古風な曲。
そんな曲には彼女たちは合っている。
決して革新的なことはしないけれど、懐かしさと暖かさと優しさでくるんでくれる曲と唄声で満ち溢れたアルバムである。

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The Hilltoppers「Love In Bloom」Dot DLP3073


かつてヒットパレードをにぎわせたこともある彼らの趣味の良いアルバム。
白人版Mills Brothersと言ったら語弊があるかもしれないがハーモニーの付け方がとてもよい風情。
タイトル曲の「Love In Bloom」の泣かせる旋律に酔わされ、「I’m Confessin’」は友人たちに励まされた純真な青年の告白を聞く様子であるが、なんと言っても美しいメロディをストレートに歌い上げた「Love, Your Spell Is Everywhere」が心を打つ。
Johnny Mathisの同曲もそうであったがこの曲は真っ直ぐに唄ったものの方が曲の美しさを引き立ててよいと思う。
「This Love Of Mine」を聴いて思うのはアルバムの中にそっと忍ばせたSinatraソングはいつも心に響くこと。
「Let’s Fall In Love」のような明るい曲は白人ドゥーワップの屈託の無さに哀愁を絡めて後味が良い。
「Together」「So Beats My Heart For You」「For Sentimental Reasons」「I Hadn’t Anyone Tell You」など佳曲ぞろい。
何度もアームをリピートさせたくなる大きなドーナツ盤のようなアルバムである。

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Jaye P. Morgan「Just You Just Me」Victor LPM1682


ご存知ジャケ買い派御用達の「Just You Just Me」であるけれどその内容は疑問符がついてしまう。
本来唄の上手い人なのであるが、このアルバムでは「何かあったの?」と思いたくなるような歌唱が続く。
悲しみをこらえて唄う歌手がステージで音程が取れないという場面に近いのかもしれない。
そう思って聴くとジャケットの明るい表情と裏腹な心情が痛々しい。
「As Time Goes By」「Where Are You」のこらえた唄が切ない。
「Love Your Spell Is Everywhere」はMarion Evansの優雅なオケと彼女の辛い唄の対比が悲しい。

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Frances Langford「Sings Old Songs For Old Friends」Capitol T1865


シンガーあがりの女優さんのベテランの域に入った頃の作品。
ギターとトロンボーンのカルテットをバックに優しく唄う唄は、まるでヨーロッパ映画の中で女優がそっと歌う挿入歌の趣がある。
どこまでも穏やかで心休まるアルバム。
フォーキーなアレンジが多い中「My Ideal」はジャズイ、「I Don’t Stand A Ghost Of A Chance」は切なく、「The Moon Was Yellow」はドラマティックなだけにもう少しましなバッキングで聴きたかった。
そういう意味では「Non Dimenticar」のような曲はこのセッティングがぴったり。
惜しいのは「Love, Your Magic Spell Is Everywhere」を「Speak Low」とのメドレーではなくじっくり聴きたかったこと。

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Bernadine Read 「Bernadine」Epic LN3497


唄がとっても上手い人、そして上手なだけではなく唄に表情のある人である。
明るい声であるけれどバラードでは憂いを見せることもできる。
またリズムののりがとても自然、「The Gypsy In My Soul」のように起伏のとんだ曲でもストレス無く歌いきる。
でもやはり「What Is There To Say」「I’m Glad There Is You」のようなひっそりした唄を可憐な声で歌ったものが良い。
なかでも「My Ideal」が光る。
アップテンポの曲にジャーズィなものがあれば名盤になったかもしれない。

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Diana Trask「 Diana Trask」Columbia CL1601


ジャケットで見せる愛らしい表情とは裏腹に、しっかりしたガッツのある歌を聞かせるDiana。
バラードが並ぶA面は音程が不安定な部分があったり、力みが目立つところがあるが、若さゆえの一途な思いの込め方が伝わってくる。
「Little Girl Blue」では少女が幼い自分の気持ちを精一杯強がって大人の女に成長しようとしている。
Glenn OsserのオケにのせてスイングするB面ではぐいぐいリズムに乗って唄う。
A面と打って変わって自信いっぱいスイングする唄は若さがあふれていて気持ちが良い。
「The Gypsy In My Soul」ではちょっと背伸びした唄い口が微笑ましい。

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Renee Raff「Among The Stars」Audio Fidelity AFLP2142


イケイケ・ジャケでこの業界(?)では有名なアルバムだが、内容はしっかりしたもの。
彼女のハスキー・ヴォイスは非常にふくらみがあり嫌味にならない。
普通「Wilow Weep For Me」は重くなるものだが、彼女の場合柳の柔らかさに癒されている歌になる。
「Mad About The Boy」がモダンであるが、ちょっと突き放したような「Little Girl Blue」に自信を感じさせる。

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Billie Holiday「Lady Sings The Blues」Clef MG C721


56’年の麻薬療養時点のVerve期にしては声の荒れが少ない時の録音8曲と54’年の艶も音域も全く失われていた時期の4曲を足し自叙伝「Lady Sings The Blues」の出版にあわせて作られたアルバム。「I Thought About You」はその4曲の中の1曲でアルバム最後の曲。歌手として使えるものをほとんど失った唄であるのに、この曲の数ある他の歌手のヴァージョンでは決して得られない想いを伝える唄である。
歌にならない唄が訴えてくるものの大きさがこんな薄いヴィニールから伝わってくるのがレコードの素晴らしさかも知れない。
何度も録音している曲でまとめられているアルバムだが4曲の中の他の3曲「Love Me Or Leave Me」「Too Marvelous For Words」「Willow Weep For Me」がやはり残る。

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Carol Kidd「All My Tomorrows」Aloi AKH005


Dakota「The Folks Who Live On The Hill」は夜の唄であったのに対し彼女のそれは朝聴く曲に変わっている。彼女の清涼飲料水のような声は炭酸は入っていないが、あとでかすかに残る苦さが良い。
やはりアルバムに入っている「Round Midnight」のような曲はDakotaのほうに任せたほうが良い。「I Thought About You」は声のせいで綺麗な唄に聞こえるが決して軽くは無くいつまでも残る。

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Dakota Staton「Round Midnight」 Capitol T1597


「Round Midnight」のVocalというとJulie LondonやJune Christyなど白人を聴くより、やはり彼女のような歌に溜りがある歌手の方が濃い味で良いのでは。
タイトル曲が良いのはもちろんだが、「I Won’t Worry」という曲に心惹かれる。
古いR&Bのバラードの雰囲気とジャージィな語り口が絶妙にバランスされた、50年代初期のダイナの唄に通じる佳曲佳唱に感じられる。
バラードを歌うときの哀切が「哀しい」から「悲しい」へ動く狭間にいるときが良い。
「The Folks Who Live On The Hill」で歌われる思いも、いつかかなう幸せではなく、かなわぬ夢を歌うかのように悲しい。

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The Metronomes「Something Big」Jazzland JLP78


アーシーでかつ繊細でいながらダイナミック、凝ったヴォーカルアレンジメントを見事に再現する完璧な技巧。
こんな素晴らしいグループ、アルバムをいったい何人の人が知っているのだろうか。
「Love Is The Thing」ではベースのルートにかぶせるテナー2声のユニゾンにバリトンのAメロが入ってくるとき背筋に快楽が走る。テナーのブリッジにがいつの間にか4声の音の滝に変わる、その凝った曲作りもすべて甘美な声の重なりにくるまれている。
この曲の究極のベストに挙げたい。
それぞれのソロヴォイスのよさが引き立つ「Round Midnight」、スイングにアレンジされた「On Green Dolphin Street」、「Night In Tunisia」等アップテンポでのリズムののりも彼らの売り。
「Back Door Blues」での本物のブルースとフレッシュなモダンさの融合は黒人グループならではのもの。
ひたすら4声の妙で聞かせる「I Remember Clifford」に上手さを実感させられる。
Junior Manceの手堅いバッキング、Les Spannの粋なギターも好演。
多くの人に知ってもらいたいアルバムである。

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Etta Jones「Something Nice」Prestige 7194


「Till There Was You」はBeatlesがインスパイアーされたPeggy Leeのヴァージョンが有名。
このEttaに練りこまれた唄では、たっぷり時間をかけて煮込んだスープのように濃いけれど一度含むと柔らかく溶けていく感覚が味わえる。
「Easy Living」ではあらためて彼女の歌唱へのBillie Holydayの影響を思い知らされる。
Etta節が爆発する「Almost Like Being Love」、真夜中にじっと思いをかみしめるような「Maybe You’ll Be There」も良いが、有名なNat King Coleのヴァージョンと対極にあるような「Love Is The Thing」で彼女のよさを再認識する。

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Helen O’connell「An Era Reborn」Cameo SC1045


10数年前行きつけの中古レコード店で入荷したばかりのこの盤をかなりのヴォリュームでかけていたのを聴き、そのスイング感に酔わされ即購入したもの。
その一曲目が「The Sweetest Sounds」ぐいぐいスイングするバンドに悠々のっていくヘレンの気持ちのよい歌につい体が動いてしまう。
選曲は「Fly Me To The Moon」「Moon River」など当時のありがちな曲が並んでいるが「Till There Was You」はBeatlesの次に好きなヴァージョンとなった。

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Patti Page 「Love After Midnight」Columbia CL2132


盛りを過ぎたPattiの契約消化のようなアルバムだけれど「The Lamp Is Low」が入っているということで。
ボサノバでアレンジされているけれど彼女の素直な歌ですんなり聞ける。
やはり「September Song」や「All The Way」のようなバラードがしっくりくる。
The Sweetest Sounds」もやはりボサノバで聞かせるのはこの時期ありがちかもしれないが気持ちよく聴く事ができる。

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