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Nat King Cole「Dear Lonely Heart」Capitol ST1838


Nat、62年の「Ramblin’ Rose」のヒットに味を占めてCapitolが同様にカントリー風バラードでセールスを持続させようと製作したアルバム。
日本ではこのオリジナルのタイトル曲より、よりキュートなA面1曲目の「My Fist And Only Lover」邦題「涙のラバー」をタイトル曲にしてヒットさせた。
色々売らんかなで詰め込まれた曲たちのなかで「Miss You」がやはり彼の持ち味。
他にSinatraも唄っている「Oh, How I Miss You Tonight」をNatならではの歌い口で、「Lonesome And Sorry」「All By Myself」をBelford Hendricksがあきれるほどポップなアレンジでまとめている。
Van McCoy作曲 の「Who’s Next In Line」を聴いて見ると生まれてくるのが遅ければ立派なSoul Singerにもなれたであろうことを想像させる。
ヒットしたBilly Vougha楽団のイメージで唄った「It’s A Lonesome Old Town」もよい。

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Thelma Carpenter「Thinking Of You Tonight」Coral CRL57433


黒人歌手で有りながら[あく]が強くなく古風な唄い口でじっくり聴かせる歌手。
太くちょっとしわがれた俗に言う小母さん声であるが美しく絡むギターとピアノのオブリガートが心地よくつい聞き込まされてしまう。
「I’ll Be Seeing You」はストレートに唄っているが大きく波打つリズムがその歌の裏側でうねっているのが聴ける・
ダイナミックに入る導入部にヴァイヴが涼しげにまとわりつく「If I Had You」などは聞きものかもしれない。
2コーラス目からスキャットになる「Miss You」は美しい小品。
「These Foolish Things」の粋なフェイクではソウルフルな歌いまわしを聞かせたかと思うと「After You’ve Gone」ではストレートに曲の良さを歌い上げる。
一語一語噛み締める様に歌った「It’s Easy To Remember」は歌の輪郭をしっかり浮き上がらせてこのアルバムが凡庸なものではないことを主張している。

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Ray Chales「Invites You To Listen」ABC Paramount


Atlantic時代はSoulのパイオニアとしてR&Bのレコードを作り続け、Jazzでも精力的にアルバムを作ってきたRayであるがABCの戦略は違う。
あくまでポピュラーでヒットを作る、その姿勢が彼の好きだったカントリー・ソングから「I Can’t Stop Loving You」のような大ヒットを生んだのだと思う。
アルバムもスタンダードを唄うものが多くなり、それまでの彼のファンには賛否両論あったとは思うがどのアルバムも美しいスタンダードの旋律に彼のソウルフルな歌がかみ合って独特の哀愁を感じさせる作品たちにしている。
このアルバムでも「She’s Funny That Way」「How Deep Is The Ocean」「You Made Me Love You」等の曲をいつもの高い声が裏返り苦悶する歌に変え切なさを強烈に植え込んで行く。
今回掲載したアルバムは“バラード”と改題された国内プレス盤であるが「I’ll Be Seeing You」の“じゃ またね”という題訳がいかにも彼の唄らしい。

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Ray Chales「Recipe For Soul」ABC Paramount ABC465



Rayの「Born To Be Blue」はまさしく「Born To Be Blues」である。
本来彼はまともに発声しない人なのであるが、その声にならない部分で音色を感じさせる才人。
その音の色がRay特有のSoulを作っているのではないだろうか。
同じくMel作曲の「A Stranger In Town」に込められた魂の声は夜の闇より黒い。
「Ol’ Man River」「Over The Rainbow」「That Lucky Old Sun」のようなポピュラーな曲も彼に真っ黒に塗りつぶされているが、小品でありながら深淵の中で行き場の無い絶望を歌う「Where Can I Go」に戦慄が走る。

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Beverly Kenney「Born To Be Blue」Decca


Bevは歌う前に泣いていたのだろうか、泣いたあとだから声が張れない。
高い音でのかすれが早めにくる「Bone To Be Blue」は悲しみをじっとこらえる健気な女の唄。
そんな境遇が見えるような唄い方で通されたこのアルバムは彼女の他の5枚のアルバムとは声の出し方が明らかに違う。
散りばめられた宝石のような曲たち「It’s A Blue World」「Vanity」「Somewhere Along The Way」「Where Can I Go Without You」。
角を曲がるたび恋が待っているかもしれないと早足になる「I Walk Little Faster」がとてもかわいく、続く「Go Away、My Love」の切なさとの落差が悲しい。いつまでもひっそりと心の隅に残る青いサファイアのようなアルバム。

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