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Brenda Lee「One Rainy Night In Tokyo」TEICHIKU(Decca)SDL10188


「One Rainy Night In Tokyo」。
雨にぬれた都会、東京の街を二人だけの場所を求め彷徨い歩く恋人たち。
そんな甘く切ない情景を描いた名曲、その洗練された旋律は洋楽の中に潜ませても違和感が無いくらいモダンであった。
当時日本で人気のあったBrenda Leeに英語と日本語の二つのバージョンで歌わせる日本ならではの企画。
英詞は鈴木道明氏の叙情溢れる原詞を無残に壊した稚拙なもの。
Brendaの歌はこの曲には少しドライかも知れないが哀切さは伝わってくる。
日本語バージョンはソウルフル。
アルバム自体は「She Loves You」や「Dancing In The Street」などの当時のPopsヒット曲をカバーした凡庸なもの。
英詞で歌った「バラ色の人生」に救われる。

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青江 三奈「グッドナイト」日本ビクターSJX20



彼女に、そのブルージィな声質とモダンさを生かすムーディな歌曲を歌わせたときのジャーズィさがたまらなく好きである。
彼女には一流JAZZメンと競演した「The Shadow of Love」という素敵なJAZZアルバムが存在するが、ここでのいわゆるムード歌謡を歌った彼女により強いJAZZを感じる。
そんな意味でもタイトル曲「グッドナイト」は歌謡ブルース唄いから本来の彼女の持つモダンさで都会の夜の女を唄う歌手へのキーポイントとなる曲だったのではと思う。
このアルバムで聞かれる「赤坂の夜は更けて」「東京ナイトクラブ」等の歌曲はまさに日本の小唄スタンダード。
アレンジが実にジャーズィなのに驚かされる。
「ワン・レイニー・ナイト・イン東京」のボサノバアレンジは本当に格好よく、子供の頃憧れた夜の東京、大人の街の情景を見事に紡ぎ出している。

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青江 三奈「青江 三奈ブルースを唄う」日本ビクター SJX6


日本の歌謡曲のブルースは、本来のブルースとはもちろん違う。
3コードで12小節でなどという定型にももちろん当てはまらない。
しいて言うならマイナーでダンスで言うブルーステンポで唄われる哀歌とでも表そうか。
しかし服部良一が黒人のブルースを日本の哀歌で表現させるという革新をもって「別れのブルース」を作曲し、そこから日本の歌謡ブルースの歴史が始まった。
その意味でも青江三奈のこのアルバム企画は彼女の持つ本来のブルージィさと歌謡ブルースの悲しさとを見事に融合させた好アルバムだと思う。
サブタイトルの『「別れのブルース」から「伊勢佐木町ブルース」まで』にあるように日本のブルースのスタンダードで埋め尽くされている。
「君待てども」は平野愛子で確立された日本のブルース唄いを更に深く、本当の意味でのブルージィさで掘り下げた名唱。
ナンシー梅木の洋楽と見まごうバージョンとともに忘れられない。
恨みと嘆きと哀しみで暗くもがく「星の流れに」「カスバの女」が凄い。

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平野 愛子「港が見える丘」日本ビクター SJX8517M


東辰三氏の名曲、そして平野愛子の名唱が戦後の日本のモダニズムのさきがけだったのではと思う。
当時ポップスという言葉は無かったかもしれないが、戦後のダンスブームのなかでこの曲がいかに斬新でいながら日本人の情感をみごとに織り込んでヒットさせスタンダードとして定着させて行った革新であったかが偲ばれる。
今の時代に聞くと古風な歌い方かもしれないが、戦前に生まれた日本のブルース唄いを更にモダンに進化させているのは、戦中表立って演奏できなかったスイングを一気に吸収消化た時代であった故だったのかもしれない。
このアルバムの歌曲達のゴージャス感はまさにスイングバンドのそれだ。
決定的名曲名唱「君待てども」を聞くとその思いは更に強まる。

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ちあき・なおみ「What’s New」日本ビクター(Invitation) VIH28247


情感の歌手というと彼女が最高だと思う。
このアルバムは、「スタンダードに日本語の歌詞をつけ斬新なアレンジで唄う企画」「日本の名歌をそれこそ情感いっぱいにしっとり歌い上げる企画」「ポルトガルのファドに日本詞をつけ彼女のオリジナルとまごうばかりに歌う企画」「シャンソンを彼女の歌にしてしまう企画」等、当時(70年代)の彼女のオリジナルアルバムをコンピしたレコード。
「四つのお願い」や「矢切の渡し」での情感、情念をモダンなドレスに包んだ新しい(いや本当の)彼女の姿を捉えるには絶好のアルバムだと思う。
この中の「夜に踊れば」という曲が「I’ve Got A Crash On You」だということに気がついたのはこのアルバムに何度か針を下ろしてからのことだった。
それだけ全く違う曲に仕上がっているのだが、その新しいセンスが当時のガーシュインのモダンさと通じるところがありその小粋さがさわやか。
「愛のため死す」はアズナブールの「Mourir D’aimer」、大人の恋を終わらせるのがどんなに辛いものかを知らしめるのにこれ以上の表現はない。
さらに「鈴かけの小路」「夜霧のブルース」等の名曲に彼女を塗りこんでいくその道行きに凄さを感じる。
名曲「港の見える丘」のアプローチはこの時期の彼女ならでは。

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Frank Sinatra「Greatest Hits、The Early Years Vol.1」Columbia CS9274(CL2474)


50年代後半から60年代初期にColumbiaから出されていたコンセプト12吋アルバムは70年代に入って廃盤になっており、60年代後期に組まれたBoxアルバムたちもほとんど手に入らない状態であった。
そんな中でこのEarly YearsはColumbia期の歌が聞ける貴重なアルバムだった。
悪評高い擬似ステも逆にバラード等では幻想的な効果をあげていると解釈しても良いのでは。
このアルバムの売りは当時の彼の代表作ともいえる「I’ve Got A Crush On You」が入っていること。
ColumbiaはLP時代になって10吋の「I’ve Got A Crush On You」というタイトルのアルバムを出したが、12吋時代になってリリースした11枚のコンセプト(風)アルバムの中にはこの曲は入っていなかった。
Lee Wileyのヴァージョンと双璧をなす名唱だと思う。
「The Coffee Song」「Sunday, Monday Or Always」も当時このアルバムでしか聞けなかった。
このアルバムに入っている曲たちのほとんどは後年再録音されているがこの初々しい情感は他の時代では絶対再現できないもの。

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FRANK SINATRA 「Love Is A Kick」Columbia CL1241


Columbia時代のSinatraは甘いバラードの人といわれているが、スイング・バンド出身の彼はこの時代既にCapitol期につながるスィンギーな快作を何曲も録音している。
しかしLP時代にまとまったスゥイング・アルバムとして出されたのはこの「Love Is A Kick」のみ。
「Deep Night」はHarry Jamesとの再会セッション時の録音、まさに深い重厚なスゥイング感の息吹が感じられる。
「Five Minutes More」「Saturday Night」、当時の若者の心を高揚させた名曲をヒットさせた彼の偉大さを再認識させられるアルバムだと思う。

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