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Fran Warren「Hey There!」Tops L1585


歌を唄っているのではなく、恋を唄っている。
だから彼女の気持ちが小節の一つ一つからわかり過ぎるぐらい聴き手の心に入ってくる。
いくつもの恋を経験してきたか、またこの録音のとき彼女は誰かに恋をしていたに違いない、そんな気持ちにさせるほど彼女の唄は情感細やか。
ドライとウエットが絶妙にブレンドされた優しい声が耳に心地よい。
ただ1曲「Come Rain Or Come Shine」はこの曲の解釈にありがちな強く張る声で歌ってしまっているのが残念。
しかしこの曲をタイトルにVeniseで再発しているのはどういう訳か?
やはり「Hey There」を柔らかく歌う彼女がこのアルバムの色。
「I’m In The Mood For Love」「I Can’t Get Started With You」のような定番曲も良いけれど、「Lucky New People In Love」のような隠れた小品が彼女らしい。
ベストは「Don’t Blame Me」、これを聴けばどんな男も許してしまうな。
Paichのつぼを心得たアレンジも聴きもの。

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Dinah Shore「Holding Hands At Midnight」Victor LPM-1154


「Under A Blanket Of Blue」。
Pattiの唄では「蒼い夜空」の下でいつまで続くかわからない幸せを切なく唄ったかのように聞こえたものが、Dinahの唄は
その幸せをしっとり噛み締めている貞淑な人妻の想いが聴けると言ったら創り過ぎだろうか?
スゥインギーな曲では明るいお母さん声であった歌がノスタルジックなバラードでは憂いを含んだ、時には消え入りそうな歌声で切々と訴えるいじらしい歌に変る。
決して顔には出さず、心の奥でじっと思いを詩っている唄。
「Once In A While」はそんな彼女にぴったりの歌。
「Come Rain Or Come Shine」の思いの深さは秀逸。

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Patti Page「Music For Two In Love」Mercury MG2009


端整な唄い方であるけれど色気のある声質、理想の女声かもしれない。
「I’m Getting Sentimental Over You」は言葉に出せない思慕をじっと心の奥で唄っているそんないじらしい風情が見える。
ストレートな解釈の中にうっすらと入れるフェイクも彼女の魅力、ラストコーラースAメロに戻ってからの「Won’t You Please Be Kind」の崩しが絶妙。
この頃の彼女アルバムは複数のセットで行われた録音を多くのアルバムに分けている場合が多く、このアルバムでもB面の「I Got It Bad」「Don’t Get Around Much Anymore」「Do Nothin’ Till You Hear From Me」のようなEllingtonナンバーはねっとりと絡みつく唄でジャージーに聴かせている。
しかしなんと言ってもA面で唄われるこの時代ならではの小唄たちの粋さが良い。「I Hear Rhapsody」「Everything I Have Yours」の哀愁を帯びたメロディにはまるが、「Under A Blanket Of Blue」のロマンティックな情景描写にしばし時を忘れる。

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Gogi Grant「Granted It’s Gogi」Victor LPM2000


今から20年ほど前ヴォーカルのレコードを集めだした頃、教科書は山口弘滋さんの名著3冊「ジャズ・ヴォーカル名曲名盤161」「ジャズ・ヴォーカル決定盤」「続ジャズ・ヴォーカル名曲名盤171」だった。
Ella、Sarah、Carmenの素晴らしさを、Billie Holiday、Dinah Washingtonは歴史的に重要なだけではなくその本当の魅力を教えてくれた正統派の入門書だった。
更に黒人男性Vocalの魅力を教えてくれたこと、何よりジャズ、ポピュラーにとらわれず素敵なヴォーカリストを数多く教えてくれた大恩人である。
これらの本にリスト・アップされているアルバムたちを探し、手に入れたときの喜びもひとしおだった。
そんな素晴らしい歌手達の一人にGogiはいた。
暖かいけれどセンチメンタル、ジャージーで優雅。
この「Granted It’s Gogi」は「Torch」とともに彼女の代表作。
「you’re Getting To Be A Habit With Me」の温かいスイング感も素敵だが、なんと言っても「I’m Gettin’ Sentimental Over You」が良い。
彼女のさわやかな哀愁感がいつまでも心に残る名唱。

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Lu Ann Simms「At Separate Tables」Jubilee 1092


アメリカの中古レコード屋はレコードの整理がきちんとされていない店が多い。
このレコードは月に1度は顔を出していた店で、一通り棚を見終わって床に無造作に置かれているレコードを見ているとき足に当たったもの。
見つけたときは思わず声が出るほど嬉かったのを覚えている。
メロディの綺麗なムービーソングを集めたこのJubilee盤は手に入れることは無いだろうと思っていたので感激もひとしお。
コーラスを従えたタイトル曲の素晴らしさに感動しているうちにいつの間にか始まってしまったような「I Only Have Eyes For You」は自然な唄い方なのに「精一杯」の女の気持ちが伝わってくる。
彼女の場合、唄いだしにほんのちょっと溜めがある場合がある。それが一語一語言葉を選んで自分の気持ちを伝えてようとするいじらしさに聞こえる。
「More Than You Know」「You Never Know」「I Wish I Knew」「This Is Always」美しい旋律を崩すこと無く美しく気持ちを込めて唄う。
「No Love、No Nothin’」「Ooh That Kiss」「you’re Getting To Be A Habit With Me」の優しいスイング感に心が癒される。

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The Flamingos「The Fabulous Flamingos」Roulette


このレコードは今から30年近く前に買ったものだけれど、そのときはこのアルバムのA面が多くのポピュラー・スタンダードで埋め尽くされているのがわからなかった。
ニューヨークに移ってからの彼らはこのようにスタンダードを甘く夢見るようなムード・コーラスで包み人種を超えた人気を得たのだと思う。
「Time Was」のハーモニーはたとえようも無く美しい。
「Music Maestro Please」は今だこのコーラス以上の歌を聴いたことがない。
「I Only Have Eyes For You」は初めて聴いたとき彼らのオリジナルだと思ったくらい優美さと独創性が見事に融和されている。

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Bob Eberly、Helen O’connell「Bob Eberly、Helen O’connell」Warner Bros W1403


「Amapola」と言えばJimmy Dorsey時代の彼らの大ヒット。
この再演盤でもその時代の雰囲気を壊さず更にモダンに仕上げている。
Bobの仰々しいバラードの1stコーラスに続いて一転スイングテンポになって悠々と飛ばすHelenの2ndコーラスが気持ちよい。
Dorsy時代は1StコーラスをBobがストレートに唄って、2ndコーラスでHelenがスイングして盛り上げるというパターン。
Bobの唄は大時代で、Helenはモダン。
ソロの曲でも「All Of Me」での彼女の絶妙なフェイクは今聞いても斬新であると思う。
しかし「Time Was」ではBobの率直な唄い方がこの曲の良さを引き立てさせている。

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Benny Goodman And Helen Forrest「The Original Recoding Of The 1940’s」Columbia KG32822


「It’s Always You」と言えばなんと言ってもChet Bakerの純な若者の心を切々と歌い上げた名唱が良いが(当時の彼が本当に純であったかはわからないが)、彼も良く聴いたであろうHelenの唄には更に癒される。
ゴージャスなグッドマン・オーケストラをバックにスムーズに流れる彼女の声を聴いていると体の中に溜まったストレスが洗い流されていくようである。
「Oh! Look At Me Now」はヒットしたTommy Dorsey盤がConnie Haines, Frank SinatraにPied Pipersまで加えた賑やかだったものに対し、Helenの唄はよどみなく艶々していながらもしっとり感がありこの曲のイメージを好転させる。
「Amapola」が一気によき時代に運んでくれる。

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