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The Mills Brothers「Memory Lane」DECCA DL 8219

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前回のDotでの代表連作に引き続き、今回は彼等の全盛期Decca時代のアルバムを紹介。

デビュー時は“Four Boys And Kazoo”と呼ばれた彼等、コーラスと間奏にカズーを吹くという大衆的なバーバー・ショップ・コーラスグループが本番でカズーを忘れたことによって楽器の声帯模写でつないだことが、ギターと厚みのある斬新なコーラスでその後のモダンコーラスグループの祖となるハーモニーを生み出したわけです。

このアルバムを裏返すと曲目ごとに「Vocal and Guitar」つまり「それ以外の楽器は使っていない」と表記されていますが、確かに彼等の古い映像を見ると長男のJon Jr.がテナーギターで伴奏しながらベース音を口でハミングしていく上を3人の弟たちがハーモニーを重ねて、いかにもリズムコンボをバックに歌っているような効果を出しています。

ライブで彼等はJohnのベース音だけではなく、間奏のペットやトロンボーンなどの模写をして4人だけで歌っているとは思えないサウンドを作り出していたのですが、彼は30年代に亡くなっており、父親のJohn Sr.がベースパートを担当、ギター奏者は別にいるというユニットになりました。

そのJon Sir50年代に引退しており、このアルバム収録音源に彼の声が含まれているのかはよくわかりません。

それというのも聴こえてくるベースの音が肉声で作られているにしては非常に重厚であるからで、これがSrの声だとしたらものすごい技術ですが、どうなんでしょう?

コーラス自体にも楽器奏法や編曲の手法を取り入れたモダンコーラスの祖ともいえる高度な技術で組み上げられてると思うのですが、そんな難しさを表立って感じさせないスムーズで柔らかいアンサンブルに心が癒されます。

決してシャウトしない穏やかな唄で選ばれたアルバム収録曲は今では聴かれなくなった曲も多いのですが、「Nevertheless」「Lazy River」といった時代を超えて歌いつがれていった曲もあって「本来の曲の姿」とは何かを教えてくれます。

私的には、その後彼等の意思を更に時代の流れによって昇華させていったDoo-Wopグループたちによって好まれた曲「Gloria」の素朴な唄に癒されます。

彼等の飾らない懐かしい歌声を聴いているとあの二人で歩いた「思い出の小径」が二人で聴いた「思い出の旋律」がよみがえる、そんなジャケットも素敵な

Mills Brothersのアルバム。

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The Mills Brothers & Count Basie「The Board Of Directors Annual Report」Dot 25888

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Cherry1930年代にDon Redmanが書いた曲。

いかにも30年代という時代がうかがえる、始めて聞く人でも懐かしさを感じさせる曲だと思います。

前回ご紹介のRay Charlesの心を揺さぶる唄も良かったのですが、我々の世代ですとStanley Turrentine70年代にCTIからリリースした同名アルバムでのヴァージヨン。彼の泣きのサックスも良かったけれど、フィチャーされたMilt Jacksonのヴァイブの美しさも格別でした。

さて1968年のこのアルバム、「The Board Of Directors Annual Report」でのMills BrothersのヴァージョンはCount Basieに煽られてジャーズィにスイング。

ただでさえ懐かしさを感じさせる彼等の歌声にこの曲はぴったりかもしれません。

このアルバムはこの曲や「Blue & Sentimental」、「I’ll Be Around」という古い曲と「Sunny」や「Gentle On My Mind」といった当時の新しいめの曲をBasieサウンドに載せて唄うという企画。

実はこのアルバムの前年に同じ企画で「The Board Of DirectorsDot DLP 25838というアルバムがあって、その好評を受けての2作目ということ。

前作のアルバムは貫禄のあるBasieを中心に、これまた貫禄では負けないMillesの面々がテーブルについて会議中というジャケットで、タイトルの「役員会議」そのままの重厚だけれど洒落たアルバムでした。

今回のタイトルも「役員会の年度報告」といウイットに富んだもので、選曲のせいもあって前作より幾分モダンなつくりになってる気がします。

しかし元祖Barber Quartetと長い歴史をもつBasie bandとの競演、重厚でありながら全篇に流れるのは大人の粋ですね。

選曲には彼等の持ち歌も多いのですが新しい曲との違和感が無いのは統一感のあるアレンジ、やはりBasie Soundでしょう。

Basie時代のJimmy Rushingの「Sent For You Yesterday And Here You Come Today」やJoe Williamsとのご存知「Everyday」もMills Brothers の色に染まっているのがさすが。

こちらが競演盤の1st 

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